2008年6月  日
大阪府知事 橋下 徹 殿
                                                     (呼びかけ団体)

「大阪維新プログラム」(政策創造)の『教育日本一をめざして』ではなく、
『共に学び、共に生きる教育日本一』をめざすことを求める要望書
 貴職が今回発表されました「大阪維新プログラム」(財政再建)において、「特に配慮した施策」として□“障がい者”に関する施策 □“いのち”に関する施策 を上げられ、・市町村医療的ケアー体制整備事業 ・知的障がいのある生徒の教育環境整備事業 ・障がい生徒学校生活サポート推進事業 ・府立高校修学旅行看護士付き添い措置費等々を「継続」されることは、私たちの「要望」に応えて頂けたものと思っております。
 さて、「大阪維新プログラム」(政策創造)では、『教育日本一をめざして』以下の施策を上げられています。■基礎学力の定着・向上 ・少人数学級編成と習熟度別指導の充実、・おおさか・まなび舎事業の実施、・「確かな学力」を育むための学習ツールの開発・実践、■日本一の公立高校づくり ・進学指導特色など府立高校の特色化の推進、・土曜日等の補習・補講の支援、■教師力・学校力の向上 ・授業力・指導力の向上(授業評価の充実支援、学校経営支援チームの充実等々)
 これを見て、障害者が大阪の学校教育から排除されていくのではないかという大きな危惧を感じています。能力主義の教育が推し進められ、「共に学び、共に生きる教育」が全面的に否定されようとしているのではないかと思うのです。「教育日本一をめざした」案からは、これまで学校現場の教職員や、保護者、地域との連携によって、営々と取り組まれてきた同和教育、障害児教育、在日外国人教育等々、大阪の人権教育の思想と実践とどのように関わりあっているのか全く見えてきません。私たちは「共に学び、共に生きる教育」として結実してきた大阪の人権教育の実践と歴史に自信と誇りを持っています。また、これからの社会や時代を創造するための教育の原点であり、目標となるべきものと考えております。まさに大阪が日本に誇る、世界に誇る教育ではないでしょうか。
私たちは、世代から世代に受け渡しながら長年月かけて取り組んできた教育が、「思いつき」の発想で上から否定され、変えられてしまう手法に反対します。ますます教育格差が生じ、ひっきょう一握りのエリートと、圧倒的多数の「落ちこぼれ」を生み出し、すでに学校現場を覆っている「荒れ」を助長して、教育崩壊が更に進行することになると思います。
「大阪維新プログラム」の『教育日本一をめざして』の案に対して、以下の通り要望いたします。

要望事項

1.「共に学び、共に生きる教育」の実践と歴史をどのように捉え、何を引き継ぎ、何を改革しようとするのか、誠実に説明されたい。
2.「共に学び、共に生きる教育」の更なる具体化と、インクルーシヴ教育を推進されたい。